チャプター 122

平穏の息吹

月光の群れは、いまや別物だった。重苦しさはなく、血や裏切りの匂いもしない。代わりに吹き抜ける風は甘く冷ややかで、野花と、女神の祝福に養われた肥沃な土の香りを運んでくる。かつて絶望の中でこだました遠吠えは、いまは喜びとなって森々に鳴り響き、結束の旋律として胸に沁みた。生きている者の記憶の限り初めて、群れは恐れずに息をすることができる。そしてその変化の中心にいるのは、歴代で最も若いアルファ、マークだった。

マークは群れの大丘の縁に立ち、緑の織物のように広がる領土を見渡していた。朝日が野に光を注ぎ、畑では作物が力強く、豊かに伸びている。訓練場からは子どもたちの笑い声が流れ、若い狼たち...

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